クレジットカードを利用する際、キャッシング枠や割賦販売(リボ払い・分割払い)の枠がどのように決まるかをご存じでしょうか。
クレジットカードには、通常のショッピング利用の枠とは別に、キャッシングや割販枠が設定されており、その限度額はカード会社が利用者の信用情報などをもとに決定します。
本記事では、これらの枠の限度額がどのように算出されるのか、またその際に関わる法律について解説します。
クレジットカードの限度額とは
クレジットカードには、利用者が1枚のカードで利用できるトータルの限度額が設定されています。
この限度額は、利用者の収入や信用情報をもとに、カード会社が審査を行い決定します。
そして、そのトータルの限度額の中には、以下のように複数の枠が含まれています。
- キャッシング枠:現金を借り入れるための枠
- 割販枠(リボ・分割枠):リボ払いや分割払いを利用するための枠
これらの枠は、カードのトータル利用限度額の一部として個別に設定され、利用者が無理のない範囲で借り入れや支払いを行えるようにコントロールされています。
キャッシング枠の限度額と算出ルール
キャッシング枠は、クレジットカードを利用してATMなどで現金を引き出すための借入限度額です。
この枠は、法律で厳密に規制されています。
日本では、貸金業法によってキャッシングの利用可能額が制限されています。
- 総量規制
貸金業法では、年収の1/3を超える借り入れは原則としてできないというルールが定められています。この規制により、カード会社は利用者の年収をもとにキャッシング枠を設定し、他社での借り入れも含めて年収の1/3以上になるような限度額は設定できません。 - 収入証明書の提出
キャッシング枠が50万円を超える場合や、他社も含めた総額が100万円を超える場合には、利用者は収入証明書(給与明細や源泉徴収票など)の提出が求められます。
このように、キャッシング枠の設定は利用者の返済能力に基づいて厳密に行われ、借り過ぎを防ぐための仕組みが整えられています。
割販枠(リボ・分割枠)の限度額と算出ルール
割販枠(リボ・分割枠)は、リボ払いや分割払いを利用する際に適用される支払い限度額です。
割賦販売法によって、利用者が無理のない範囲で支払いができるよう、カード会社には審査基準が定められています。
割販枠上限 = ( 年収(※1) - 年間請求予定額(※2) - 生活維持費(※3) ) × 0.9
※1:カード申込時に自己申告
※2:1年間のクレジット代金支払予定金額。信用情報機関より取得
※3:下表より
住宅ローン or 家賃の有無 | 世帯人数 | |||
1人 | 2人 | 3人 | 4人以上 | |
無 | 90万円 | 136万円 | 169万円 | 200万円 |
有 | 116万円 | 177万円 | 209万円 | 240万円 |
割販枠の設定も、カード会社が利用者の年収や信用情報をもとに審査して決定します。キャッシング枠同様、借り過ぎを防ぐための仕組みが整えられています。
クレジットカードを賢く利用するために
キャッシング枠や割販枠の限度額は、利用者が計画的にクレジットカードを利用できるように設けられています。
無理な支払いを避け、収支のバランスを保つためにも、以下のポイントに注意して利用しましょう。
- 支払い回数や返済金額をしっかり把握する
分割払いやリボ払いを利用する際には、毎月の支払いがどのくらいになるかを事前に確認し、無理のない範囲で利用しましょう。 - 借り過ぎに注意する
キャッシング枠は便利ですが、利息が発生するため、借り入れ額が大きくなるほど返済負担も増します。計画的な借り入れが大切です。 - 信用情報を意識する
延滞や滞納を防ぎ、信用情報に傷をつけないことが、将来的に限度額を増やすためにも重要です。
クレジットカードのキャッシング枠と割販枠(リボ・分割枠)の限度額は、カード会社が利用者の年収や信用情報をもとに算出しています。
過剰な借り入れを防ぐため、法的な規制や審査基準が設けられており、利用者は無理のない範囲でクレジットカードを利用することが求められています。
自分の返済能力をしっかり理解し、賢くクレジットカードを活用していきましょう。
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